『進化が常態の会社。もっともっと面白いコト、やっていきたい!』
三重県桑名市に本社を置く、株式会社金星社。広告看板のトータルプロデュースを手掛けています。創業から120年を超えますが、デジタルサイネージなど新しい事業にもどんどん挑戦しているアクティブな企業です。社員同士、社員と社長のキョリが近い会社でもあります。
「社長という人間ではなく、社長という役を演じている」と語る小笠原社長の目指すところとは?
会社の強み
屋内外広告看板等の企画、設計、提案、制作、施工、管理までを一貫して行うことができるのが金星堂の強みです。
看板を中心に扱っている会社でこれほどの規模は珍しいそうです。金星堂は本社(三重県桑名市)に工場がありますが、ここから全国の営業所を通じて全国に金星堂の看板が届けられます。現在、東北(仙台)、東京、名古屋、大阪、九州(福岡)の5ヵ所に営業所があります。
ここで一つ疑問に思いました。一貫して行えると何が良いのでしょうか?
それは、お客様に対してのサービスを充実させることができるからです。
金星堂には、企画、デザインをする方から、看板の制作、施工をする方がいます。さらに設置して終わりではなく、定期的な管理(メンテナンス)もすべて自社で行います。さらには、設置する際の役所への申請を代行して行うこともあるそうです。つまり、お客様にとっては、金星堂に任せれば、すべてできるのです。そして他の業者に頼む手間や費用を省くことができます。下請けなどではなく、自社で全て行うからこそ作業工程間での連携も取りやすいですよね。
社長の大事にしていること
理念と社是は常に意識するようにしていると社長は言います。
金星堂には、デザイン、職人、営業、事務など様々な仕事があります。仕事が違えばそれぞれの目指すところ(成長目標など)も違ってきます。しかし、理念と社是をきちんと共有して理解できていれば、向かう先が違っていてもいいと話されていました。金星堂は全国に営業所がありますが、そこの方針についても基本的には働く人に任せているそうです。「そこで働いている人の想いが大事だと思うから、もしそこの営業所で規模を大きくしたい、新しい事業を始めたいという要望があればぜひサポートしていきたい!」と、力強く語ってくださいました。
また、理念にある『社員の満足』のひとつとして社員研修にも取り組まれています。研修会に参加してもらうのはもちろん、新入社員には業界紙を渡して感想の共有をしてもらったり、社長がセミナーや本などで気付いたことを社員全員に共有したりもしています。また、研修会は新人社員だけではなく、誰でも参加できるよう、全員に連絡するそうです。
社長いわく、「会社は自己実現をする場」だと。しかし「勉強もせずに、こんな風になりたいと思ってもなれない。スポーツなどと一緒で、自分でやり方を調べたり、人に聞いたりして、試行錯誤しながらできるようになる。経験だけでできるようになるものでもない。」とおっしゃっていました。だからこそ金星堂では、そういった挑戦の後押しをしたり、学びの場を提供したりすることで、社員の方が自己実現できるようサポートしているのです。
今後の展望
「面白いコト、新しいコトにはどんどん取り組んでいきたい!」と語ってくださいました。
今年の会社スローガンは『進化が常態』だそうです。今までにも、新しい塗料や道具を試してみたり、LINEスタンプをつくってみたり(笑)。新しいコトにどんどん挑戦してきましたが、社長は「もっとやっていきたい。だってやった方が楽しいでしょ。」と本当に楽しそうに話してくださいました。
さらに、看板を中心にした広告業界を「先生と呼ばれるような存在にしていきたい」とも。だからといって、「先生だと威張るわけではなく、一緒になって企画や安全管理などを考えていけるような会社にしていきたい」と話され、自分たちも一緒になって景観情報を創造していきたいのだという熱い想いに触れることができました。
株式会社金星堂
代表取締役社長 小笠原貴行
HP : http://www.kinseido.co.jp/
レポーター感想
社長の言葉で一番印象に残っているのは、冒頭に書いたように「社長という人間ではなく、社長という役を演じている」という言葉です。私には、社長としての仕事の責任は負うが、普段はあくまでひとりの人として社員と接しているというように聞こえました。
実際に訪問して驚いたことは、社長の「おーい、みんな集まって写真とるぞー」の一言で社員の皆さんが、すぐに仕事の手を止めて集まってくださったことです。普段から近いキョリで仕事をして、信頼する関係性がここにも表れているのではないかなと思いました。社長も社員さんも笑顔が素敵な明るい会社でした。会社のいたるところにカエルのキャラクターが隠れているのも可愛いです。これは社員さんがデザインして、社長も知らない間に増えていたそうですよ(笑)。
わくわくスイッチ 三重大学 大島理絵